東北から九州の21府県で分散開催される予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ、8月10~24日)の史上初となる中止が決まったことを受け、救済策として県レベルでの“高校総体”が開催される可能性が出てきた。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大会中止を26日午後2時からのオンライン臨時理事会で議決した全国高等学校体育連盟(全国高体連)が、各都道府県の高体連に通知。その中で「今後の対応等について」示され「今後、安全に部活動が実施できる状況となった場合には、各都道府県高等学校体育連盟において、各地域の実情を踏まえ、最終学年生徒の部活動成果の発表の場や大会の設定などについて、ご検討・ご配慮をお願いする」と明記された。

この通知について、臨時理事会後にオンラインで会見した全国高体連の奈良隆専務理事が説明。「3月の選抜大会も中止となり、今夏も中止。3年生にとっては全国大会がなくなり、頑張ってきた成果を発表する場がなくなってしまった」として、インターハイ中止によって日程が空白となった夏休みなどに県大会を開催できるよう「お願いレベルになるが、検討していただきたい」と呼び掛けることを明かした。当然、各地区の感染状況を見極めながらの判断になることも付け加えた。

つまり、全国大会がなくなったことで、予選を兼ねていた各都道府県の高校総体(従来は5~6月)を、夏に延期する検討を要望として出した形。奈良専務理事は、その“代替大会”の成績をスポーツ推薦など大学入試の資料にすることは「できないと思う」と認めつつ、新型コロナによって集大成の舞台を奪われた3年生に、練習の成果を出す場が設けられることを願って。

ただ、全国高体連に強制力はなく「お願いベース」で47の高体連に判断を委ねることしかできない。今夏のインターハイには全30競技、約3万8000人の選手や指導者が参加を予定していた。【木下淳】