新型コロナウイルス感染拡大のため8月開幕の高校スポーツの祭典、全国高校総体(インターハイ)、その予選で本来なら23日から始まるはずだった新潟の県高校総体が中止になった。3年生にとっては高校生活の集大成の場がひとつ消えた。高校時代に全国舞台を目指して汗を流したアルビレックスの各競技のトップ選手から高校3年生へのメッセージを「3年生へ」で紹介。第1回はB1新潟アルビレックスBBのPG五十嵐圭(40)で、激励の言葉を贈る。

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インターハイ、県高校総体が中止になったと聞いた時は僕もショックでした。3年生にとっては最後の活躍の場。人生の中の大きな目標でもあったはず。それがどうしようもない理由でなくなったのだから。

僕は高校時代(北陸高)、3年連続でインターハイに出場しました。当時は福井県内では無敵。全国でどうすれば勝てるか、優勝できるかを目標にしていました。バスケは夏のインターハイの後に冬のウインターカップ(全国高校選手権)があります。僕たちが3年生になった時は全員がウインターカップまで部活を続けたので、インターハイは最初の目標という位置付けでした。

でも、違う部活ではインターハイが最後の全国大会になる同級生もいました。もし自分が今、高校生で同じ状況だったら、気落ちした仲間にどういう言葉をかけられるか。簡単ではないです。

今、伝えたいのは、次の目標を見つけて欲しいということです。バスケのように冬に全国大会がある競技は、そこに向かって切り替えてほしい。インターハイがなくなり高校での公式戦が終わった選手は、ここまでやってきた努力を自信にして次のステージを目指してほしい。

悔しく、残念の思いでいっぱいでしょうけど、大学などで競技を続ける選手にはそのための糧になるはず。高校で競技をやめる選手にとっても積み重ねてきたことが今後の力になると思います。人生の中で経験することに無駄はないです。それぞれが新しい目標に向かって頑張ってほしいです。(B1新潟 五十嵐圭)

◆五十嵐圭(いがらし・けい)1980年(昭55)5月7日、新潟県上越市生まれ。直江津東中から北陸高(福井)に進み、中大へ進学。3年の時にインカレで準優勝。卒業後は日立に入社。06年は日本代表として世界選手権に出場。09年にトヨタに移籍し、10年から三菱電機名古屋に所属。16年に新潟に移籍。今季は1試合平均9得点、同3・6アシスト。ポジションはPG。180センチ、73キロ、背番号7。