新型コロナウイルス感染拡大で東京オリンピック(五輪)は延期となった。選手が来夏の祭典で獲得を目指す五輪メダル。各競技でどのような歴史が刻まれてきたのか。「日本の初メダル」をひもとく。

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女子だけの種目で、個人総合は1984年ロサンゼルス大会から、団体は1996年アトランタ大会から実施された。これまで、日本はどちらの種目でも表彰台を射とめたことはない。個人では、84年大会で山崎浩子(現在は強化本部長)が8位入賞、団体では初参加の00年シドニー五輪での5位がそれぞれ最高位となる。

来年の東京五輪で史上初のメダルの期待がかかるのが団体総合だ。「フェアリージャパンPOLA」の名称も浸透し始めた日本代表は、昨秋の世界選手権では大きな失敗なく、団体総合で44年ぶりの銀、種目別ボールで史上初の金を手にした。

リオデジャネイロ五輪以降のルール改正により、高難度の技を多用する構成に各国が挑んでおり、一度の失敗で大きく順位が入れ替わる戦国時代を迎えることになった。五輪5連覇中のロシアといえど、従来のような余裕はなく、各国がその牙城を崩せるかが注目される。

日本もその候補。山崎氏が強化トップに着任し、セレクションシステムを基盤に、350日以上に及ぶ共同生活、ロシアへの長期遠征などで実力を磨いてきた。細かい技術などの強みは現在のルール下でも有効で、母国開催で躍動する可能性は十分にある。