日本アメリカンフットボール協会が28年ロス五輪参戦へ動きだした。日本フラッグフットボール協会と連携した「フラッグフットボールプロジェクト2028」の実施を27日に発表した。フラッグフットボールがロス五輪追加種目に入り、日本代表の出場を目標に掲げた。14年に国際アメリカンフットボール連盟がIOCに加盟し、15年から積極的に活動している。

他の追加種目候補には野球、ラクロスなどが上がり、IOCは23年に決定する。アメリカンフットボールは米国発祥の人気NO・1スポーツだが、大人数や普及などが大きな課題になった。そこでアメリカンフットボールから、気楽に老若男女が楽しめるようにと考案されたフラッグフットボールを推す声が高まった。

近年の五輪はコンパクトな大会で、少人数、男女可、都市型の若者向き種目が採用傾向にある。フラッグフットボールは5人制で、前後半20分目安、フィールドは通常の半分程度と合致する。2年おきに男女世界選手権も開催されている。

アメリカンフットボールとの一番の違いは、タックルの代わりに選手が両腰につけたフラッグをとること。相手選手との身体接触は禁止で反則となる。当分続きそうな三密禁止時代とあって、願ってもない競技とも言えるかもしれない。

アメリカンフットボールは防具が不可欠で、暑い地域には不向きで普及は進んでいない。日本協会常務理事の輿フラッグフットボール委員長は「フラッグフットボールはタイなど東南アジアでも盛ん。ラグビーで成功した例もある」。7人制で16年に復活したラグビーを手本に、五輪実現を期待している。

プロジェクトの目標として、学校教育でスタンダードになることも重点としている。日本には90年代に伝わったが、攻撃のたびに話し合って作戦を考え、役割分担をして、みんなで一緒に体験できると、教育界から注目された。11年度学習指導要領の解説書に初めて登場し、今年からは本編にも掲載されている。普及と競技人口増加を目指していく。

来年3月までに新組織を発足し、両協会で日本選手権などの大会を共催で運営し、用具、ボールや教材なども小学校に寄贈する。22年にはルール、用具を国際規格に統一を進めていく。【河合香】