全国クラスの強さを誇る静岡・飛龍高の水泳部は部活動を本格化させ、予定されている大会へ向け準備を進めている。水泳部の男子エース格の石田竜一(3年)と上坂侑輝(同)は、7月19日に行われる県高校総体・競泳の代替大会に向けて調子を上げている。19年ジュニアオリンピック(五輪)の平泳ぎ100メートル3位(1分2秒86=自己ベスト)の石田は、タイム更新に自信をのぞかせた。同・背泳ぎ200メートル7位(2分4秒20)だった上坂も、時計短縮に意欲的。将来、五輪出場を目標にする2人が、高校最後の舞台に全力で挑む。

石田の20年は「無念」から始まった。2月、日本代表として出場が決まっていた3月のジュニアブロック・シンガポール遠征が、コロナ禍により中止となる。続けてインターハイも中止に。「活躍の場がなくなって悔しかったです」。それだけに、代替の県大会開催を「ただただ、うれしい」と喜んだ。

県出身ながら寮生活を送り、この自粛期間中も上坂らとともに自主練習で切磋琢磨(せっさたくま)してきた。そのかいあって調子は良く、「タイムが上がっている自信があります」。大会で好記録をマークし、もっと自信をつけたいと考えている。

進学しても競技を続け、「もっと上を目指したいです」。五輪選手になることを目標に掲げ、そのためにもアピールする場が欲しかった。「チャンスは逃さないようにする」と意気込んだ。

五輪選手になることを夢見て三重から飛龍に入学した上坂は、今夏のインターハイ中止が決まり「一日中、落ち込みました」と振り返った。目標を見失った中、代替の県大会が行われることを信じて、休校期間も自主トレに励んだ。

部の全体活動自粛中、寮生に限って学校の室内プールが開放された。自主練習のため指導はなし。泳ぐ距離も普段の3分の1以下。長くて2キロほどだったが、感覚を鈍らせずにすんだ。筋力維持のため、寮では3~4キロのメディシンボールなどを使い、体を鍛えた。

背泳ぎ200メートルの自己ベストは2分3秒79。今月から通常練習に戻り、今まで以上にこなしてきた筋力トレーニング効果も挙げて「タイムが上がっていると思います」。これまで他校に負けないほど練習した努力を最後の大会にぶつけ、「それがムダではなかったと証明したい」と決意を口にした。【倉橋徹也】

◆石田竜一(いしだ・りゅういち)2003年(平15)2月11日、松崎町生まれ。松崎中1年時、町内プールのスタッフに勧められて競技の道へ。卒業まで下田協泳会に所属した。趣味は音楽鑑賞。好物はすき焼き。尊敬する人は北島康介氏。身長176センチ、体重64キロ。家族は両親と姉2人。血液型B。

◆上坂侑輝(うえさか・ゆうき)2002年(平14)9月27日、三重・鈴鹿市生まれ。姉の影響で小4からJSS白子SSへ。中学では津田SS四日市校に所属。趣味は運動。好物はチャーハン。好きなキャラクターはスヌーピー。身長174センチ、体重68キロ。家族は両親と姉。血液型A。