世界9位の大坂なおみ(22=日清食品)が、4大大会3度目の女王に王手をかけた。同41位のジェニファー・ブレイディ(米国)を相手に、激しいバトルを制し、7-6、3-6、6-3の2時間8分、フルセットで勝ち、全米では18年優勝以来2年ぶりの決勝進出を果たした。決勝では、元世界女王で同27位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)と、12日(日本時間13日午前5時以降)に対戦する。対戦成績は大坂の2勝1敗。

   ◇   ◇   ◇

新型コロナウイルスの感染拡大で、世界ツアーが中断していた時期、大坂が最も練習した技術がサーブだった。今年から新たに就任したフィセッテ・コーチと、約10週間の練習の内、後半5週間は「彼女の武器であるサーブを徹底的に練習した」と言う。

今年の1月、同コーチは「もっと第2サーブを改良できる。攻撃されないコースや球種を交ぜたら、もっと強力な武器になる」と話していた。その言葉どおり、4大大会決勝に進んだ過去2度の統計と比べてみても、今大会のサーブでの得点率は非常に高い。

第1サーブの確率は56%と最も低いが、入ったときの得点率は第1サーブが81%とダントツ。第2サーブでも57%だ。特に強打だけでなく、緩く逃げるスライスや、跳ね上がる球種で、相手の攻撃をかわすのが、今大会での特徴だ。

18年全米は、3回戦で相手が体調不良で1ゲームも与えない特殊な試合があったため、数字が跳ね上がっている。それを差し引くと、今大会のサーブ得点率の高さがうかがえる。