ショートプログラム(SP)首位発進の坂本花織(20=シスメックス)が、優勝の結果にも猛省した。

フリーは2位の129・83点にとどまり、合計200・23点。最終盤の3回転ループが1回転になるなど、演技後半で精彩を欠き「正直『情けない演技』と一番に思いました。前半はいつも通りにできたんですけれど、後半にかけて崩れてしまったので、こういう演技を公の場でしてしまったのが、一番情けないです」と厳しい言葉を並べた。

2季目となる「マトリックス」。前日30日のSP後に「ショート(SP)より、フリーの方が自信がある」と言い切る演目だった。序盤は得点源となるフリップ-トーループの連続3回転などを成功させたが、中盤のステップ、スピンを終えて「雑念が沸いてしまった。あんまりこういう考えをしたことがなかったけれど『スピードをちょっと落として、確実に跳べるようにしよう』とか…」。持ち味の勢いがなくなり、ジャンプの乱れにつながった。

演技後、信頼する中野園子コーチからは、辛口なコメントを投げかけられた。

「試合期間になったら、怠けるからや」

坂本も渋い表情で認めた。

「『そう言われても仕方ないな』と思いました。NHK杯も、全日本(選手権)もノーミスでそろえることを大事にして、あとは自分らしい滑りで、ショート(SP)、フリー共に自己ベストを更新したいです」

次戦はグランプリ(GP)シリーズのNHK杯(11月27日開幕、大阪・東和薬品ラクタブドーム)。大舞台を前に、発奮する材料が生まれた。【松本航】