小針が19年ぶり2度目の優勝を決めた。決勝は新井に3-0。勝負のかかった副将戦で石井あいら(1年)が2本勝ちして決着をつけた。1、2年生が日常生活から結束して身に付けたチームワークが優勝の土台になった。

石井が面を放った。審判の白旗が上がると同時に、小針のメンバーが大きな拍手。1-0で迎えた4番手の副将戦。1本目と同じように相手が前に出るところをかわしながら2本目を奪った。「大会前から練習し始めた」という“急造”の技。それを大事な場面で使い、優勝を決定付けた。

快勝だった。次鋒(じほう)の藤間乃々佳(2年)が先勝し、石井と大将の佐藤愛海(1年)が白星。決勝も含めた全5試合、1人の敗者も出さずに頂点に立った。「うれしいです」。和田明香里主将(2年)は笑顔で言った。登録7人のうち2年生が4人で1年生が3人。試合出場5人には2人の1年生が名を連ねた。1年生は小学生の時から剣道を経験しているが、2年生は全員中学から始めた。

そんなメンバーが普段から結束を図ってきた。4月以降の新型コロナウイルスの感染拡大による休校、部活動禁止の時期。全員で話し合い1日1000本の素振りを自主練習のノルマにした。「体が大きいと強く見える」(和田主将)と、各自体重5キロ増も全員で決めた。

吉田新監督(27)は「日常生活から隙を見せずに取り組んできた」と褒めた。時間の厳守、あいさつなどを徹底。選手だけのミーティングを頻繁に行った。「心が折れそうな時も、みんなで支え合った」。和田主将はチームワークを勝因に挙げた。

秋を制し、目標は来年夏の全国中学総体出場に移った。「自信を持って全国出場を目指したい」と和田主将。新しいターゲットを定め、さらにチーム力を高めていく。【斎藤慎一郎】