国際スケート連盟(ISU)は10日、新型コロナウイルスの再流行を受けてフィギュアのグランプリ(GP)ファイナルを中止すると発表した。同日に開いた理事会で承認した。

2022年北京五輪(オリンピック)のテスト大会を兼ねて本来はこの日から行われる予定だったが、先月13日に北京開催を回避。代替開催国を模索していたが、これも断念した。

特殊環境下の今季GPファイナルを巡っては、隔離など行動を制限される選手側に配慮して、ISUが9月30日に「延期か中止」と発表。来年2月への延期、ファイナル進出者を例年の2倍となる各12人とする案などを練っていた。

GPシリーズも「1人1大会」「母国、近隣国および練習拠点国」など出場が制限される変則開催。第2戦スケートカナダと第4戦フランス杯は中止に追い込まれた一方、第1戦のスケートアメリカ、第3戦中国杯、第5戦ロシア杯、そして先月末に最終第6戦のNHK杯(大阪)が有観客で行われていた。

また、来年1月の欧州選手権(ザグレブ)も中止となった。同2月の4大陸選手権(オーストラリア・シドニー)も既に中止となっており、これで今季は大陸選手権もすべて消滅した。

北京五輪の枠取りが懸かる世界選手権(ストックホルム)と、日本開催の世界国別対抗戦(大阪)は、それぞれ来年3月22~28日、4月15~18日の日程を維持しつつ、新型コロナの感染状況を見極めながら今後も開催可否の検討を続けていくと追記した。【木下淳】