スケートに取り組むきょうだいの長男、本田太一(22=大阪)が涙で現役最後の演技を終えた。

ショートプログラム(SP)12位で迎えたフリーは113・51点を記録し、合計169・70点で10位。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は着氷が乱れたが、以降はルッツ-トーループの連続3回転ジャンプなどジャンプをまとめた。

スケートを始めたのは5歳。元世界ジュニア女王の真凜(19=JAL)、女優と両立する望結(16=プリンスホテル)、末っ子の紗来(13=大阪・関大中)という、3人の妹たちを引っ張る存在でもあった。

演技後の一問一答は以下の通り。

-演技を終えて

本田 本当に最後のジャンプが終わるまでは、正直「早く終わりたい」というような気持ちでいたんですけれど、最後のコレオステップに入って、足が動かなかったんですけれど「この瞬間がずっと続いてほしいな」って思っていました。

-涙の理由は

本田 間違いなくやりきれたと思っているので、悔いとかはないです。ただ、もう少し(友野)一希とチームとして団体で貢献したかった気持ちは大きかったです。申し訳ない気持ちはありますが、これで勘弁してもらえたらと思います。

-自身にとってスケートとは

本田 かっこつけて「初恋」というか「片思い」というか、そういう存在だったと思います。「やりたい」って言ったのは自分ですけれど、5歳なので物心ついているか、ついていないか分からないぐらいで。小学校、中学校と周りの友達が遊んでいる中でスケートに打ち込んできた。なかなか振り向いてもらえなかったけれど、いい(スケート)人生だったと思います。

-妹3人へ贈る言葉は

本田 皆さんご承知の通り、妹3人はスケートに関しては苦しんでいる状況が去年、今年と続いています。芸能活動だったり、メディアの出演もあると思うので、そういうことをしていない僕の口から言えることはないですし、フィギュアスケートを強制するつもりもないので、好きにしてくれたらいいけれど、4人が1つになっていると感じるのは、スケートをしている時です。自分はファンとして、妹たちの演技を、笑顔で滑っている演技を、見られたらなと思います。

-関大を卒業する今春に就職する。今後は

本田 第2の人生でスケートと関わる気持ちは一切ないです。今まで17年、18年とやってきたスケートのように、打ち込みたいと思える仕事につける。「スケート界の本田太一」じゃなく、1人の人間として成長して、社会に貢献できる人間になっていきたいです。