女子テニスで世界2位の大坂なおみ(23=日清食品)が8日、米タイム誌にメンタルヘルスに関する手記を寄せ、英王室を昨年3月に離脱したヘンリー王子の妻メーガン妃から友人としてサポートを受けていたことを明かした。

5月にテニスの4大大会(グランドスラム)の1つ、全仏オープンで試合後の記者会見を行わないことを宣言し、その後SNSでグランドスラム初優勝を果たした2018年からうつに苦しんできたことを告白して大会を途中棄権していた。

大坂は手記の中で「私を支えてくれたすべての人に感謝したい。名前をあげるには多すぎるが、素晴らしい家族や友人から始めたい。彼らとの関係ほど大切なものはありません」と綴り、ミシェル・オバマ元大統領夫人や競泳金メダリストのマイケル・フェルプス、テニスのスター選手ノバク・ジョコビッチ、NBAのスター、ステフィン・カリー、メーガン妃から励ましやサポートを受けたことを明かした。

ヘンリー王子と結婚したメーガン妃も、王室内で人種差別的発言を受けたとインタビュー番組で告白し、自殺を考えたと語るなど自身のメンタルヘルスの問題について明かしている。

また、ヘンリー王子も米司会者のオプラ・ウィンフリーと共にメンタルヘルスに関するドキュメンタリー番組を制作しており、夫妻はメンタルヘルス問題の啓蒙活動にも尽力しているだけに何らかの形で大坂に支援の手を差し伸べていたものと思われる。大坂とメーガン妃はこれまで公の場での接点はないことから、個人的に連絡を取り合う仲だとみられる。

大坂は手記の中で、メディアとはすばらしい関係を築いていると述べた上で「記者会見の形式自体は時代遅れで、大いに刷新が必要」と持論を語るも、あくまで「自分の意見である」として反抗をあおる意図はなかったと説明。「アスリートのメンタルヘルスの顔や代弁者になることは居心地が良いものではない。私にとってまだ新しいものであり、すべてのことを持っているわけでもないから。大丈夫じゃなくてもいい、大丈夫じゃないならそう言って大丈夫、ということを理解してもらえれば嬉しい」と語っている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)