19年ジュニアグランプリ(GP)ファイナル王者でシニア2年目の佐藤駿(17=フジ・コーポレーション)が今季初戦を迎え、74・31点をマークした。無観客開催下、出場3人の中で首位発進した。

1番滑走で登場すると、冒頭で新技の4回転フリップに挑戦。ステップアウトで出来栄え点(GOE)は4・03の減点となったが、今年1月の冬季愛知国体で「まだ挑戦したことはないけど、頑張れば跳べると思う」と投入を示唆していた大技を初披露。「初トライですね。自分はエッジエラー、アテンション(踏み切り違反)が付きやすいのでSPで入れてみたかった」と試し「スリップしてしまったけど、着氷というかクリーンに立つことはできた」と手応えをつかんだ。

佐藤と言えば、現在成功例があるジャンプの中で最高難度の4回転ルッツを跳ぶことで知られるが「ルッツの調子が良くなかったので、この機会にやってみようと思って」。約2カ月前から練習してきたといい「次は加点が付くようなフリップを跳びたい」と修正を思い描いた。

その後は4回転トーループ-3回転トーループを着氷。最後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は転倒したが、青い衣装で新SPビバルディ「四季」の「夏」を表現豊かに舞い「去年からクラシックをやりたかった。今年はまた違った演技を見せられれば」と語った。

目指す22年北京オリンピック(五輪)へ上々の滑り出し。4回転ジャンプ4本を入れる予定のフリーは29日午後に行われる。

今季はGPシリーズ第1戦スケートアメリカ(10月22~24日、ラスベガス)と第5戦フランス杯(11月19~21日、グルノーブル)にエントリー。「GPシリーズで入れようと思っていたので」と、ここで4回転フリップを組み込むため準備を進めている。【木下淳】