日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(64)が30日、都内で定例会見を開き、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の急拡大について「何も情報を持ち合わせていない」と困惑した。

前日29日に岸田文雄首相が全世界からの外国人の入国禁止を表明し、この日午前0時から措置が開始。水際対策の厳格化、海外遠征中の日本選手の帰国問題、国内で予定される国際大会への影響について、スポーツ庁から新たな情報などあるか問われると、こう答えた。

「マスコミが報道している以上の情報はない。北京オリンピック(五輪)に向けて(代表最終選考会など)出場資格に関わる大会があるが、日本の選手たちがどうなるか何も情報を持ち合わせていない。関係機関と緊密に連携を取りながら今は情報収集に努めたい。それ以上は全く、という状況」

冬季ユニバーシアード・ルツェルン大会(スイス)が中止になったことには残念極まりない表情を見せ「昨日、この情報が入ってきた。冬の競技の選手たちにとって極めて重要な大会だった。やむを得ないとはいえ、選手たちの気持ちを思うと…。JOCとして原田(雅彦)理事(選手団長)と連携を取りながら選手の皆さんをサポートしたい。さまざまな面で選手1人1人に寄り添い、できることを最大限やっていきたい。ここまで準備してきた方々も本当につらいだろうなあと思う」と思いやった。

北京五輪にも影を落とす可能性が出てきたオミクロン株。JOCとしての、その対応については「来月、新しいプレーブック(大会行動ルール集)が出ることになっているが、オミクロン株が出てきたので、それも含めた形でプレーブックが出てくるかどうか。動向を注視していくしかない。関係機関と連携し、できる限り情報収集をする。今のところ、それ以上はない。状況はどんどん変わってくる」と答えようがない様子だった。【木下淳】