日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(64)が30日、都内で定例会見を開き、報道陣からの質問を3連続でかわした。

中国を代表する女子テニス選手の彭帥(ほうすい=35)が、同国の張高麗元副首相に性的関係を強要されたと告発した後、消息不明となっている問題について「消息不明ということで心配していた。ただ、マスコミから得ている情報しか把握していない。その中で発言するのは適切でない」と語った。

中国が、新疆ウイグル自治区などで人権侵害をしていると海外の専門家などが指摘していることにも「ウイグルに関しても、マスコミから得た情報しかない。私は世界の国々を回ってきた人間として、人権問題、紛争、差別、虐げられている人がいることに心を痛めている。人々が安心して暮らせる社会を常に望んでいるが、中国の人権問題に対して私がここで発言することは適切ではない」と断った。

これらを受けて、北京五輪の「外交的ボイコット」を検討している国があることにも「それぞれの国の立場で、国益がある。日本は日本の国益を鑑みて政府が対応を考え、協議されるはず。それ以上のコメントは控えたい」と踏み込まなかった。【木下淳】