元世界女王で、4大大会4度の優勝を誇る世界36位の大坂なおみ(24=フリー)が、左アキレス腱あたりを痛めていたため、試合に敗れた。1回戦で、今季自身初の赤土コートの初戦を快勝した大坂だが、この日は、左ふくらはぎから足首にかけてテーピングをして登場。赤土専門家で同47位のサラ・ソリベストルモ(25=スペイン)に3-6、1-6で敗れた。

4月29日の1回戦の試合中は「体が温まっているときは、何も感じなかった」という。しかし、「プレーが終わって、体が冷えてきたら、だんだんひどくなってきた」と痛みが増したようだ。1回戦後の翌日30日は「治したいため、ほとんど練習はしなかった」。ただ、この日は、思うように動けなかった。

相手は、リターンから、順回転の量を多くかけ、山なりの高いロブを打ってくるような選手だ。自ら決めるのではなく、ミスをせず、大坂には簡単に決められない球を返球する。そこで、大坂に無理をさせ、凡ミスが生まれる。

1回戦では、無理をしないテニスを見せ、赤土対策も成長したように思えた。ただ、この日は「(けがのため)長いラリーになると足が伸ばせず、速攻では、球に急いで近づけなかった」。頭も心もけがが気になり、集中力も落ちた。

普段、大坂は、ほとんど赤土で練習しない。得意なハードコートと赤土では、フットワークが全く異なる。ハードコートで使わない筋肉に、赤土で負荷がかかり、痛みが出た可能性は高い。「以前にもなったことがある。超音波検査を受けて、様子を見たい」。

9日からはイタリア国際(ローマ)、そして22日からは赤土最高峰の全仏(パリ)が始まる。今年こそはと、苦手赤土を克服するのに意欲を見せていた大坂。休養か赤土での経験か。悩ましい決断だ。

【吉松忠弘】

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