5季ぶり2度目の優勝を目指す宇都宮ブレックスが先勝した。初制覇を狙う琉球ゴールデンキングスと対戦し、第4クオーター(Q)に26-5と圧倒。第3Q終了時点では琉球にリードを許していたが、最終Qに突き放した。

第1Qは琉球が19-18でリードした。206センチのCクーリーが8得点で引っ張る。一時はリードを許したものの、中盤から守備をゾーンに変更した宇都宮を徐々に押し込んだ。

第2Qは宇都宮が逆転した。途中出場のPFフィーラーが8得点で追い上げると、日本代表SG遠藤祐亮の3Pシュートで29-29と同点。さらに連続3Pで32-29とひっくり返した。

琉球も2Q序盤はSG/SF今村佳太の絶妙なアシストからクーリーがバスケットカウントワンスローを決め、一時は5点のビハインドも残り2分を切って1点差に。しかし、宇都宮がエースSG比江島が4点目とPFスコットのダンクシュートで再び差を広げた。最後は琉球PGフリッピンが2点を返し、宇都宮3点リードで後半に突入した。

第3Qは琉球が譲らず逆転した。前半だけで11本のオフェンスリバウンドが後半も堅実。クーリーを中心に得点を重ね、エース今村の初3Pシュートがここで決まった。56-50から宇都宮が4得点で2点差。勝負の第4Qへ入った。

早々に宇都宮がひっくり返した。エース比江島。相手の出方をうかがいながらドライブのコースを選び、最後はファウルを誘いながらレイアップ。バスケットカウントワンスローで57-56とした。さらには前半途中から好調のフィーラーがコンスタントにリングを通した。

勢いは止まらず、比江島が再びのバスカンで突き放す。クーリーにぶつかって空中でバランスを崩しながらの難しいシュート。ベンチのPG田臥勇太主将もガッツポーズで喜ぶビッグプレーだった。もう止まらない。次も比江島だ。この試合16点目。チームのリードも残り5分40秒で、この試合最大の9点リード(当時)まで一気に広げた。

川崎との準決勝第2戦でチーム最多24得点を挙げながら、この日は前半4得点と重い展開の中にいたエースが後半、期待に応えたことでチームも乗る。残り3分の段階で15点リードと圧倒した。

たまらず琉球は最終3度目のタイムアウト。だが流れは変えられず、リングに嫌われ続けた。ことごとく外れ、ファウルも重なる苦しい展開にフラストレーションをためていった。

最後は19点まで“貯金”が膨らんだ宇都宮がレジェントを投入。田伏が入り、切り込んでシュート。惜しくもこぼれたが、チケット完売の約7000人が詰めかけた場内を沸かせた。

試合終了。昨季の決勝で敗れた悔しさを知る宇都宮が大事な初戦を取った。一方、西地区5連覇ながら初めての決勝進出となった琉球は、この初体験を糧に第2戦での巻き返しを期す。【木下淳】