東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は21日、都庁で50回目となる最後の理事会を開いた。今月末をもって組織委を解散する。14年1月に発足し、新型コロナウイルスのパンデミックで五輪初の大会延期を経験するなど、多くの苦難が降りかかった8年7カ月間。ついに役割を終える。

橋本聖子会長は会議冒頭、「大会経費の最終報告をした後、解散について審議いただく。また、解散後の清算フェーズ体制についてもお決めいただく」と述べた。

組織委のこれまでの歩みについて「コロナにより大会史上初となる1年延期が決まった。未曽有の困難に直面しながらも関係者全てが大会成功に向けて一枚岩になって協力し、安心安全な大会の実現に向けて準備を進めてきた」と振り返った。

会長に就任した当時について「最後の仕上げに取り組んでいる最中の昨年2月、森会長からバトンを引き継いだ。それまでの着実な準備の上に、理事会でいただいた貴重なご意見を踏まえ、多様性と調和の推進、東京モデルの構築と継承を重点施策に掲げ、スピード感を持って大会準備を進めた」と語った。

東京都の小池百合子知事も会議冒頭に参加。「14年1月、新宿の都庁で1回目の理事会が開かれて以来、約8年半。50回目で最後になったが、1年延期、無観客での開催など多くの仮題を乗り越えて、評価が得られたことをうれしく思う」と述べた。【三須一紀、木下淳】