北北海道は学校創立100周年の古豪・北見北斗が23-14で旭川龍谷を振り切り、13年ぶり38度目の花園出場(優勝37度目)を決めた。

「てっぺんの景色はどうだ!」学校創立100周年に、13年ぶりの花園をつかんだ選手たちに、小野泰章監督(51)が大声で問いかけた。「最高です!」。全員が顔を紅潮させたままで声をそろえた。

4連覇中の旭川龍谷から前半に2トライを奪い、0点に抑えて折り返した。先制はラックからFW山森隼人(3年)が持ち出し、追加点はWTB庄司直輝(2年)が右隅に飛び込んだ。フォワードもバックスも一体となり、敵陣でボールを動かした。

全国出場38度の名門だが、3年生11人中、中学時代からの競技経験者は主将のNO8荒田悠佑(3年)だけ。それでも今夏にはOBの協力で室内練習場ができるなど、期待を感じてきた。「入学式で校長先生が『3年生の時に学校創立100周年。ぜひ花園に』と話していたので、常に意識はしていた」と荒田主将は言う。

昨年10月にはOBで元道協会副理事長の山内博史氏(享年51)が死去。息子のCTB悠生(2年)は、この日鋭いタックルで相手を足止めした。「亡くなる2週間前に『必ず花園に行く』と約束した。小さい時から言い続けてくれたタックルを決め、父と同じ舞台に立てるのはうれしい」。その目には、涙が浮かんだ。

◆全国大会 全国高校ラグビーは12月27日に東大阪市花園ラグビー場で開幕する。組み合わせ抽選会は同3日に行われ、3回戦までが決まる。