第2戦スケートカナダで日本ペア初の優勝を果たした「りくりゅう」三浦璃来(20)木原龍一(30)組(木下グループ)が、思い出の地での演技を迎え、今季世界最高となる自己ベストの78・25点で首位発進した。

多くの日の丸がスタンドに揺れる中で演技を開始。冒頭の3回転ツイストから、続く並んでの3回転トーループ、スロー3回転ルッツを決めた。息の合ったスピン、ステップシークエンスでも大きな拍手を浴びた。

北京五輪団体戦のSP(74・45点)を3点以上更新し、2位に13点差以上もつけた。三浦は「1つ(ツイスト)の取りこぼしはありましたが、それ以外(の要素)はレベル4。スケートカナダからの1つの成長だと思います」と手応えを口にすれば、木原も「技のクオリティーも良いものができた」と誇った。

木原は、演技後、感慨深げに振り返った。

「結成して3カ月で初の舞台がここでした。その時は正直、こういう成長ができると思ってなかった」。

2人は19年7月にペアを結成し、その初戦が同じ真駒内での同年11月のNHK杯(5位)だった。

それから3年。2月の北京五輪では2本の団体銅メダルに貢献し、3月の世界選手権では銀メダルを獲得する世界のトップペアに上り詰めた。演技後のスタンディングオベーションが、力の証明だった。

GP2連勝、2季連続のGPファイナル(12月、イタリア・トリノ)進出も懸かるフリーは19日。木原は「自信になるし、うれしいですが、ここがゴールではない。きっかけにしてもっと上に行きたい」と誓った。【阿部健吾】