ジュニア1年目で全日本ジュニア選手権2連覇中の島田麻央(14=木下アカデミー)が首位発進した。

69・66点を記録し、2位シン・ジア(韓国)とは0・55点差。9日のフリーも最終滑走となり「首位発進できると思っていなかったので、すごくびっくりしています。最終滑走と思うと緊張してしまうので、次に誰かいると思ってやろうと思います」とほほえんだ。

黄色の衣装の島田がリンクに立ち、ニッコリと笑った。7月の全日本ジュニア合宿で浜田美栄コーチに“やり直し”を命じられ「苦手です。ジャンプとスピンに気を取られてしまって、表情までできていなかった」と苦笑いした最初の見せどころ。この日は同コーチに「挑戦者だから楽しんで!」と送り出され「この舞台にせっかく出られた。楽しもうと思って、最初から笑顔で滑りました」と平常心で演技に入った。

トリプルアクセル(3回転半)や4回転ジャンプを組み込めないジュニアのSP。冒頭で3回転ループを決めると、ダブルアクセル(2回転半)も成功させた。演技後半のルッツ-トーループの連続3回転も、ルッツでわずかな回転不足がありながらまとめた。スピン3つは全て最高のレベル4。それでもステップがレベル3だったことを踏まえ「次は絶対に取りこぼさないようにしていきたいです」と反省も忘れなかった。

フリーは、決めれば国際スケート連盟公認大会で日本女子初の4回転トーループと、トリプルアクセル(3回転半)の大技2本に挑む。

「まだ2本成功させられたことがないので、2本成功を目標としているんですけれど、もし失敗したとしても、いつも通り、他のジャンプは失敗しないようにしたいです」

最終滑走の重圧を和らげ、自分らしい演技を世界に届ける。(トリノ=松本航)