B1仙台89ERSの「ソルジャー」こと片岡大晴(39)がモンゴルリーグ「The League」に挑戦する。昨季まで通算8シーズン、89ERSでプレー。今季はチームのアンバサダーを務めながら初の海外リーグでのプレーを目指す。その経緯や意気込み、クラブやブースターへの思いも語ってもらった。(取材・構成=高橋香奈)
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-モンゴルリーグに挑戦することになった経緯を教えてください
昨年6月にモンゴルを訪れ、白鴎大の同期の友人(モンゴル・バスケットボール協会のアナラ・エンフボルド副会長)の元に行ったときに、モンゴルでもアジア枠を作ってアジアの選手、日本の選手を受け入れたいという話をいただいたのが始まりで、僕自身も考えるきっかけになりました。
-これまで海外挑戦を視野に入れていたことはありましたか
プロになって20代の頃はオフシーズンにアメリカでトレーニングをしていたので、外の世界に対しての憧れだったり魅力だったりというのはずっとありました。チームにも、母国を離れてプレーする選手がいて、彼らを見て尊敬していましたし、僕も彼らのように強く生きたいという思いがありました。
-今回はどのような思いで挑戦するのですか
国を離れてバスケットボールをするだけではなく、僕が本当にやりたいのは「国と国をつなぐ仕事がしたい」ということ。できるチャンスがある、そんなことってなかなかないと思います。
-具体的には
これからモンゴルも日本に関わることによって、モンゴルの選手たちのプレーも、今の若い子どもたち、選手たちの幅がぐっと広がる可能性がありますし、日本も若い選手たちにどんどんチャレンジする機会が増えるかもしれない。そういった道を僕が経験することによって直接伝えられる。それが一番、僕の中でかなえたいことであって、こっちの道もあるというのを伝えてあげられたらいいなという思いがあります。
-モンゴルではバスケットボールは人気スポーツということですが
友人同士でモンゴルに行った際に、モンゴルの方たちに交じってバスケットをしたことはありますが、モンゴルのバスケット自体に触れたことがないので。もちろん、日本でもすごく注目される中でやることができることへの感謝の気持ちはとてもありますので、プレーできるというのは選手としてもすごく幸せなことだと思います。
-アナラ副会長からは、日本の技術やプロの姿勢を見せて欲しいとの声も
僕らしくプレーし続けることかなと思っています。海外に行ったからといって今やっていることを変えて新しいことを無理してやるんじゃなくて、その時に僕が必要と思うことと1日1日向き合っていくだけなので。何かを教えますとか偉そうにするのではなく、この仙台にいる時と変わりなく、真摯(しんし)にクラブやチームメートと向き合うことを大切にしていきたいと思っています。僕も学びますし、僕のことを見てこうしたらいいんだと思ってくれる選手もいると思いますし、その時の状況によって生まれてくるものだと思います。自然体でいけたらなと思っています。
-仙台89ERSでは通算8季プレーしました
本当に僕のことを愛してくれたと心から感謝をしています。地元とか生まれ育った場所というのがすごく大きく、そこでユニホームを着るなんて全員ができるわけではないので。僕はその機会をいただいて、長い間89ERSに在籍させていただいたので、感謝の気持ちが大きい。なかなか、地元の方々に直接感謝を伝えたり、元気をあげたりはできないと思うんですけど、バスケットボールを通して機会を得られたということも本当に大きいです。
-仙台89ERSではアンバサダーとして活動を続けます
クラブの役に立ちたいと思っていたので、すごくうれしかったです。
-先月13日の壮行式にはたくさんの地元の方、ブースターが駆けつけた
本当に頑張る力がすごく湧きました。本当にたくさんの方々が来てくださって、皆さんに「頑張ってね」とエールをもらって、あの瞬間、あの日というのはもう1度、自分の決意を固められた日だったと思います。
-(8月中に予定されている)トライアウトを控え、率直な今のお気持ちをお聞かせください。
実現したいなという気持ちだけですね。僕としては実現のため1日1日大切に練習しています。怖さとかもないですし、不安はなくはないんですけど、それも楽しみに変えて進んでいけたらと思います。
◆片岡大晴(かたおか・まさはる)1985年(昭60年)12月24日生まれ。宮城県仙台市出身。仙台高-白鴎大。同大在学中の07年にリンク栃木ブレックス(現B1宇都宮)に育成選手として入団。08年からプロ契約を結び4季在籍。以降、京都-北海道-仙台-京都-仙台。19年から仙台に復帰した。ポジションはシューティングガード。184センチ、80キロ。
◆The League 94年に創立されたモンゴル国内最高峰のプロバスケットボールリーグ。全10チームで構成。25-26シーズンからは東アジアスーパーリーグへの参入が発表され、24-25シーズン優勝のザック・ブロンコスが出場する。


