国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が新設した「IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025」が最終日を迎え、画期的な「エキシビション」で締めくくられた。

【プログラム】

・オープニング

・クロストーク

・リード実演

・アップエリア公開

・一般クライマー挑戦

・トラバース(横断)スピード課題オブザベーション

・ブラインドクライミング実演

・トラバーススピードコンペ

・グランドフィナーレ

【男子日本代表】

安楽宙斗(18=JSOL)天笠颯太(25=東洋染工)吉田智音(21=摂南大)

【女子日本代表】

野中生萌(28=フリー)中村真緒(25=日新火災)谷井菜月(22=愛媛県山岳連盟)

日本の男女6代表も、ほか5カ国のクライマーも全員が参加したプログラム。その中にあった「トラバース」とは「横断」「横切る」を意味し、ボルダー壁を横移動するスピード勝負が実施された。

ホールド(突起物)に飛び移るなどダイナミックな動きと高速スライドで、会場も沸騰。日本は天笠と吉田、野中と中村が笑顔で挑んだ。優勝は男子がイスラエルのオレン・プリヘドで「前半は難しかったけど、後半は面白かった」。女子はカナダのバベット・ロワで「とっても楽しかった」と笑みを振りまいていた。

ほかにも、谷井が試合用バッグの中身を特別に公開したり、吉田が趣味の撮影について語ったり、選手の素顔も観客に共有する機会も設けられた。

盛況のうちに幕を閉じたグランドファイナルズ。コンセプトは「-Team & Para Futures-」で、前日25日に日本が「初代王者」に輝いたボルダー決勝など初の国別対抗戦と、パラリンピックの28年ロサンゼルス大会で追加競技として初採用されるパラクライミングが、国内で初めて「一体」開催された。

賞金総額も、IFSCが開催した今季の国際大会で最も高い各種目1万ユーロ(約175万円)など、連日話題が提供された。祭典のクロージング・バンケットでは、IFSCの小日向徹副会長が「福岡、飯塚から始まった」と感謝し、日本パラクライミング協会の小林幸一郎代表理事も「07年に神奈川県でパラ競技が始まってから、ここまで来た」と感慨深そうに振り返った。

期間中も福岡県の服部誠太郎知事、飯塚市の武井政一市長が訪れた大会。世界初の国別対抗戦は2032年のブリスベン五輪(オリンピック)の種目採用を目指しており、まさに、今大会が「始まり」となった。

男女の個人種目やパラ競技の垣根を越えた総合大会が、迎えた大団円。参加者から「来年以降も」の声が数多く上がったことが、成功を物語っていた。【木下淳】