スピードスケート女子で五輪10メダルを獲得した高木美帆(31=TOKIOインカラミ)が4日、現役引退の意向を表明した。2月のミラノ・コルティナ五輪で現地解説を務めた姉の菜那さん(33)は、ラストレースとなる世界選手権(5~8日、オランダ)も現地観戦を表明。妹の雄姿を最後まで見届ける。
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姉に見守られ、妹が有終の美を迎える。菜那さんはインスタグラムで「めちゃくちゃ楽しいだろうなー」と最終走を待ちわびた。
2人で走り続けてきた。10年バンクーバー大会は美帆だけが出場。活躍する妹に、姉は「転べばいいのに」と思ったこともあった。14年ソチは立場が逆転。姉だけ出場し、妹は苦しみを知った。過去2大会は団体追い抜きで共闘。18年北京では初めて金メダルの喜びを知り、22年北京は決勝で姉が転倒してともに涙を流した。日本の先頭を走ってきた妹の隣には、「美帆を1人にさせない」という姉の存在があった。
北京後に菜那さんが引退し、関係性は大きく変わった。現役時代は距離を置いたこともあったが、24年3月には2人でスペイン・バルセロナへ旅行。最後の五輪では、「高木選手」と呼ばれながら解説席から見守られた。本命種目の1500メートルは6位。涙を流し、レース後には姉の胸に飛び込んだ。引退後も、変わらず家族として支えてくれた。
姉は「スピードスケートで世界のトップを走り続け、世界をも魅了し続けてきた『高木美帆』という選手の一区切りをつける大切なレースをスケート大国のオランダで観れる」と投稿。妹は、姉の後押しで最後まで走り抜く。【飯岡大暉】


