社会人Xリーグが設立30周年を迎えた26年、新たに創設された国内最高峰「Xリーグプレミア」が開幕した。昨季の頂点を争った日本選手権ライスボウルの対戦カード、パナソニック・インパルス(年間1位)とオービック・シーガルズ(同2位)を再現した顔合わせで、オービックが逆転で記念すべき「プレミア」1勝目を挙げた。
昨季まで1部リーグはX1スーパー、X1エリアの上位と下位12チームずつに分かれていたが、最上位カテゴリーを再編してライセンス制を導入。活動予算やプロ選手の確保などの諸条件を満たした、初代11チーム参加で幕を開けた。
正午キックオフ。約14時間前までボクシング井上尚弥と中谷潤人の激闘が行われていたビッグエッグに、観客を無料招待して行われた。
開幕セレモニーの後、記念すべき初得点はオービックが奪った。第1クオーター(Q)開始2分20秒、司令塔クオーターバック(QB)ピアース・ホリーからのパスを受けたワイドレシーバー(WR)テイ・カニングハムがタックルをかわして79ヤードを独走。エンドゾーン右に駆け込んで、タッチダウン(TD)第1号の6得点を挙げた。
追う昨季王者のパナソニックは、同Qに逆転。ロングパスを通した後にランニングバック(RB)ミッチェル・ビクタージャモーがTDランを決めた。第2Qにも加点し、前半を終えて20-6とリードした。
後半、粘るオービックが追い上げ、ひっくり返す。ディフェンスバック(DB)坊農賢吾のインターセプトで流れを取り戻し、第3Qを12-0で猛追。18-20で迎えた最終の第4Q残り6分25秒で、フィールドゴール(FG)を決めて逆転した。
16ヤードTDランの後に「二刀流」のキッカーとしてFG3本(41、34、27ヤード)を沈めたRB島田隼輔は、後半の全15得点を稼ぎ「うれしい。FGを決めたのはXでは初めて」と喜んだ。前年度の日本一決定戦で7-9で敗れた借りを返し「ルーキーイヤーの去年はフィールドに立てなかったので、試合に出て(点を)取り切れて良かった。また東京ドームに(ライスボウルで)戻ってきたい」と長くなったシーズンを見据えた。
パナソニックがプレーオフ前のリーグ戦で黒星を喫するのは、同じオービックに敗れた20年11月以来、前身のリーグ時代から数えて6季ぶり。上位同士の対決で紙一重とはいえ、波乱の幕開けや1点差の展開もまた、新規ファンに面白がってもらう船出となった。
Xリーグは例年、本場の米国と同様に秋からシーズンが始まっていたが、春開幕で初の通年制に移行。夏季の中断期間(サマーブレーク)を挟んだ11月5日までのレギュラーシーズンで各チーム10試合の総当たり戦を行い、上位6チームが27年1月3日のライスボウル出場を懸けた決勝トーナメントに進出する。これまではリーグ戦が東西に分かれていたが、全チームとの対戦が実現した。
「プレミア」化してチーム力の均衡化を図り、興行の質を向上させて観客動員を増やす狙いがある。低迷する競技人口の裾野拡大、育成普及の活発化にも力を注ぐための改革に踏み切った。初年度は44人のプロ選手が誕生した。
競争激化、移籍の流動化も図るため今季からシーズンロースター(選手登録枠)を65人から53人に。さらにゲームロースター(試合登録枠)を48人に減らした結果、開幕戦MVPに輝いた島田のような二刀流が活躍した側面も見せた。
午後4時からは開幕2試合目、IBM BIG BLUE(昨季8位)と富士フイルム海老名ミネルヴァ(同9位)も行われる。翌週10日も含め、開幕節の全5試合は無料で観戦できる(リーグ公式サイトから0円チケット登録は必要)。【木下淳】


