【トゥールーズ(フランス)9月30日=松本航】

ラグビーW杯フランス大会に臨んでいる日本代表(世界ランク13位)のSO松田力也(29=埼玉パナソニックワイルドナイツ)が“恐竜ルーティン”で8強に導く。

勝利した28日サモア戦から休日を挟み、白星で2大会連続8強が決まるアルゼンチン(同9位)との最終戦(10月8日、ナント)に向けて調整。キックはここまで16本中15本決め、成功率は約94%を誇る。好調な「T-松田」の右足が、大一番には欠かせない。

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快晴の練習場に立ち、松田は飲料水を片手に大きく体を動かした。1日の休日をはさみ、体の回復に重点が置かれた練習。隣のフッカー堀江、WTB松島と会話しながら、大一番のアルゼンチン戦へ心身を整えた。中9日の一戦へ、日本のファンに向けて「個人じゃなくて、チームが勝つことを考えている。絶対に勝って、ベスト8に行くことを誓いたい」と言い切った。

日本の戦いを支えるのが自身の右足だ。直前の8月26日イタリア戦は後半途中出場し、2本ともゴール失敗。黒星につながったが、個人トレーナーでビーチサッカー日本代表経験を持つ佐藤義人氏と、フランスで蹴る前の姿勢にメスを入れた。

右肩を落とさないことに重きを置き、両肘を曲げるルーティンが確立。同僚のFBレメキから「Tレックス(ティラノサウルス)に似ている」、帝京大の同期からは「恐竜で『ガォ~』みたいな感じ」と評されているという。大きな変更に見えるが「いきなりですけれど、そんなに(ルーティンを)変えることに不安はなかった」と言い切る。

自信はぶれない。サモア戦の後半11分に初めて失敗するまで、13本連続で成功。その後も2PGを沈め「たくさん外してきた。もう1度原点に戻って、自分のキックを信じて蹴るだけと思った」と得点を積み上げた。

前日29日時点で37得点は全体5位。警戒や注目は意識せず「絶対にプレッシャーはかかる。全員が受け入れて楽しめるか。自分たちのやってきたことを、次の試合に全部出す」と誓った。着実な加点が求められる大一番。頼りになる司令塔が、8強の高みへ導く。