<水泳世界選手権>◇最終日◇4日◇バルセロナ

 競泳男子400メートル個人メドレーの瀬戸大也(JSS毛呂山)が4分8秒69で制した。前回の2011年大会、昨年のロンドン五輪で頂点に立てなかった競泳日本勢に待望の金メダルをもたらした19歳の新鋭は「最高のパフォーマンスができた」と喜びを爆発させた。

 同種目で金メダルを期待されながら5位に終わった同じ大学1年生の萩野公介(東洋大)も、今大会は出場7種目すべてで決勝に進み、2つの銀メダルを手にした。世界トップクラスの若手が台頭した背景の一つに、09年にスタートした「ジュニアエリート制度」が挙げられる。

 男子平泳ぎの北島康介(日本コカ・コーラ)が2種目で五輪連覇を果たした08年の北京で、目立った新戦力の活躍がなかった。危機感を抱いた日本水連が、16年リオデジャネイロ五輪を当面の目標に同制度を新設した。有望な中高生を優先的に短水路(25メートルプール)ワールドカップ(W杯)などの国際大会に派遣し、海外合宿も実施した。瀬戸、萩野はこの集中強化の対象に選ばれ、着実に力を蓄えた。

 上野広治競泳委員長は「いつも同じ選手しかメダルを取れず、新人の台頭がなかった状況を反省し、いろいろと模索した末に生まれたシステム」と説明した。3年後の五輪への第一歩と位置づけた大舞台で、一定の成果が見えた。