<世界バレー2010女子:ロシア3-1日本>◇2次リーグE組◇10日◇代々木第1体育館

 E組1位突破をかけた一戦は、日本がロシアに1-3で敗れ、通算5勝2敗で同組2位となった。2セットを先取された後、途中出場した迫田さおり(22=東レ)の活躍などで第3セットを奪ったものの、202センチのガモワら平均身長で14センチ上回る相手の高さに封じられた。日本は13日の準決勝では、F組1位で世界ランク1位のブラジルとの対戦が決定。難敵を撃破して、78年大会以来32年ぶりのメダル奪取に挑む。

 迫田が躍動した。江畑幸子(21=日立)に代わり、第2セットからコートに立つと、持ち前のジャンプ力を生かしたスパイクでチームに流れを引き戻し、第3セットを奪った。今大会NO・1の平均身長188センチを誇るロシアの高さをも打ち破るバックアタックも含め、計11得点。エース木村沙織(24=東レ)に次ぐ得点を挙げた。

 2次リーグ初戦の中国戦でフル出場したが、トルコ戦、韓国戦と出番がなかった。3試合ぶりの出場となったが「江畑がうまくいかないときに、出ていくのは分かっていた。出番がない間は悔しかったけど、絶対にやるつもりでいた」と気合十分だった。真鍋監督も「バックアタックが得意。木村が前衛にいるときに決まるとチームも勢いに乗る」と評価する戦力だ。

 ただ出られたことに満足はしていない。スパイク成功率は30%に届かず「何ができたかと思うと、これというのがない」と自己評価。「今日の経験を次に生かしたい」と、準決勝以降の戦いを見据えた。ここまで大活躍してきた江畑の調子が上がらない場合、出番が増えることも予想される。

 前日に4強進出を決めていた日本にとって、この日のロシア戦は目標の見えにくい一戦だった。しかし次戦はメダルのかかる大一番となる。相手は世界ランク1位のブラジル。だが真鍋監督には自信がある。今年8月のワールドGP決勝ラウンドで9年ぶりの勝利を飾っている。真鍋監督は「ブロックもスパイクも素晴らしいが、フルセットで1度勝っている。どうすれば日本のリズムになるかは、分かっている」と話した。この日の完敗を忘れさせる戦いで、32年ぶりのメダル獲得に挑む。