これぞ“メジャー級”のサービス精神と思えるシーンだった。

 DeNAに新加入したスペンサー・パットン投手(28=カブス)と、フィル・クライン投手(27=フィリーズ)の入団記者会見。201センチのセ・リーグタイとなる高身長のクラインの高さを、報道陣がメジャーで計測しようと試行錯誤。すると隣に立っていたパットンが、気を利かせるように「僕が測ろうか?」と自ら名乗り出た。

 「昔、建築関係の仕事をしていたんだ」と、メジャーを巧みに使いこなすパットン。クラインの身長の目盛りは、靴底と帽子の分も合わせて約205センチをさした。何より、助っ人が即興でメジャーを手にし、計測される方も嫌な顔せず背筋をピンッとする立ち姿が、面白くレンズに収まった。これは、サービス精神を持つ2人だからこその1ショットだった。

 ポーズのかけ声にも笑顔で応じる2人には、カメラの先にファンの姿を見ていたからだろう。パットンは言った。「楽しいことが大好き。でもマウンドでは目の前の試合に勝つためにやる。できれば横浜の一部になりたい。だから、ファンの方たちも近づいてきてくれれば、いつでもサインするので、是非きてください」と、メッセージを送った。

 先発のクラインとリリーフのパットン。DeNAの優勝のカギを握る2人のリレー投球が、今から楽しみだ。【DeNA担当=栗田成芳】