高校野球の強豪、済美高(松山市)は16日、1~2月に野球部員の男子生徒に殴るなどの暴力を加えたとして、男性コーチ(29)を謹慎処分にしたと明らかにした。同校は部員間のいじめで、8月まで1年間の対外試合禁止中だった。

 野沢善浩校長は記者会見で「絶対にあってはならないこと。度重なる不祥事で誠に申し訳ない」と謝罪。暴力行為の詳細については、愛媛県高校野球連盟に正式に報告しておらず「話せない」とした。

 同校によると、1月中旬と2月上旬の練習中にコーチが部員の1年男子生徒をバットで複数回殴打。けがはなかったが、言葉の暴力もあり、生徒はストレス性障害などと診断された、との訴えが保護者から寄せられたという。生徒は既に退部しており、現在2年生。

 コーチは同校の調査に対し「指導の一環で、小突いた程度だった」などと説明。同校は7月13日から50日間の謹慎処分とし、県高野連にはコーチから聞き取った内容を中心に伝えた。

 一方、県高野連によると、同校から6月と7月に「コーチの暴力問題のうわさがあるが、具体的な事実は確認できない」との連絡を受けた。生徒側と認識の違いがあるものの、謹慎処分にしたとの説明だったという。

 同校は甲子園大会に春夏通算6回出場し、2004年春に優勝した。