<高校野球春季静岡大会:静岡6-0飛龍>◇4日◇準決勝◇沼津・愛鷹球場

 静岡を2年続けて春の東海大会に導いたのは、またも水野匡貴投手(3年)だった。昨年5月5日の県大会準決勝東海大翔洋戦で、8安打4奪三振3四死球と好投し公式戦初完封。この日は4安打8奪三振無四死球で飛龍打線を抑え、2度目の完封を果たした。「1年前はアップアップしていたけど、今日は落ち着いていた」。数字が示す成長ぶりは、充実した精神面がもたらした。

 質の高いボールが自信の源だ。直球は、この日視察した楽天山田スカウトのスピードガンで最速143キロを計測。変化球もキレた。6回1死二、三塁の場面では「とにかく0点に抑えよう」とギアチェンジ。3番近藤凌外野手(3年)は直球で、4番竹村哲郎外野手(3年)はフォークで、狙い通りの連続三振を奪った。竹村は「真っすぐにキレがあって、横の変化球はベース1個分くらい曲がった」と脱帽するしかなかった。

 昨年5月末の左足骨折から復活を期す最終学年。県大会から託された背番号1には「プライドを持ってやっている」と語った。4季連続の東海大会を決めても「まだ道半ば」。同大会は過去3連続初戦敗退で、その雪辱を果たす舞台へのスタートラインでしかない。その前に、まずは決勝。昨秋からの県内公式戦の連勝を18に伸ばす。【石原正二郎】