日本ハム斎藤佑樹投手(26)が、2戦連続の背信投球で苦況に追い込まれた。楽天4回戦で先発したが、3回1/3、4失点でKOされた。今季初登板の2日ロッテ戦では序盤に大量援護を受けながら、5回途中3失点で降板。雪辱を期しての今季2度目のマウンドも、打ち込まれた。今日18日に出場選手登録を抹消され、先発生き残りをかけて調整する。

 失望をあらわにした。斎藤が憤った。淡々とマウンドを降りたまでは、いつも通り。ベンチへ腰を下ろし、一拍置いて右手を小さく振り上げた。椅子をたたきつけた。責任投球回の5回に達することなく、2戦連続のKO。隠さず、本音を漏らした。「(悔しさを)消化できていないです。(前回登板と)あまり変わらずという感じ」。栗山監督も細部を語らず、突き放した。「見ての通り」。

 乱れた。2回。先頭のペーニャに四球を与え一気に崩れた。1死二、三塁となり後藤の2点二塁打。なおも2死三塁から福田に三塁前へのバント適時打も許した。「チームがいい流れできているので、最初にリズムをつくりたかった」。理想とは正反対の展開へ導き4回途中で降板。栗山監督が「(重要視は)結果じゃない、内容」と判断した。

 厳しい状況に立たされた。今日18日に出場選手登録を抹消。当初の予定通りだが、今回は控えるゴールデンウイークの過密日程などの今後に備え、戦力としての見極めを兼ねた意味を持つ登板。2軍にはライバルが待機している。ベテラン武田勝と木佐貫。オープン戦から好調を維持する昨季8勝の中村、右肩痛から回復傾向の同7勝の浦野と豊富に、駒はそろっている。

 今後はシビアなジャッジが下される可能性が出てきた。1週間に4~5試合の変則日程が4月で終了。少ない試合数の中で登板機会をもらってきた。5回途中降板の2日ロッテ戦に続き、内容に乏しい結果に終わった。段階的に仕上がってきたルーキー有原も万全となればローテーション入りは有力で、先発陣のサバイバルは激化する。

 力水を与えてきた栗山監督は、期待しているからこそ強く訴えた。

 「(起用法で)メッセージも送っている。みんなへの信頼だとか姿勢。自分の居場所を取りにいかないといけない。競争だから」

 勝負の5年目。斎藤が出直しの岐路に立つ。再起への正念場と、もう1度向き合う。【高山通史】

 ◆昨季の斎藤 開幕2戦目の3月29日オリックス戦(札幌ドーム)で先発し、6回9安打4失点で敗戦投手に。2度目の登板となった4月10日楽天戦(札幌ドーム)は1回1/3で3失点。翌11日に出場選手登録を抹消された。7月12日ソフトバンク戦(札幌ドーム)で登板するまで3カ月間、2軍で調整した。シーズン成績は2勝1敗。