切れ目なしの楽天「ナシンガン」打線が、17安打15得点と打ちまくって西武を圧倒した。梨田昌孝監督(62)が掲げる「1点でも多く取る野球」で、今季初の3連勝。チームはいまだ本塁打0本でも、適時打に進塁打、好走塁で次々に本塁を陥れた。仙台は前日1日に桜の開花宣言。満開の打線で、昨季両リーグワーストの463得点と苦しんだ姿からの脱却を告げた。

 大技小技、何でもありの「楽天ナシンガン打線」が止まらない。4連打などで4対1と逆転した3回、2死一、三塁で打者は大砲ゴームズ。西武バッテリーの注意が打席に集まる瞬間を逃さず、梨田監督が動いた。一塁走者茂木と三塁走者ウィーラーへ重盗のサインを告げる。「取れる時に1点でも多く取っておかないとね」。カウント2-1からの4球目に茂木がスタート。炭谷の二塁送球を見たウィーラーがヘッドスライディングで本塁へ突っ込み、5点目でとどめを刺した。

 試合終了まで、油断はなしだ。「相手は西武。5点目ではまだ試合は決まっていない」と4点リードの4回、無死一塁から嶋に犠打のサインで追加点を狙った。捕手時代に培った洞察から放つ一手には迷いがない。この後に5安打が出るなど6得点を奪った。8回には途中出場の後藤、阿部も安打で応え、采配は全て失敗なし。1点への執着心が大量点を呼び込んだ。

 実は開幕から7試合で本塁打が1本もなしだ。球団最長記録を更新した事実に気づく暇もないほど打ちまくった。好機では積極的に走者を進める。その一方で、打者には細かい制約なしで信頼して送り出す。仁村ヘッドコーチは「みんな、試合後に行木スコアラーのデータを見てよく勉強している。狙い球が頭に入っている。連打はその結果」と大量得点の要因を伝えた。

 2月1日のキャンプイン初日から「1つでも先の塁を目指してほしい」と口を酸っぱくして訴え続けてきた。打力に走力、作戦を絡めて得点を奪う「機を見るに敏」の攻撃&速攻野球。「打者がゴームズ、走者がウィーラーでも関係なくサインを出すよ。メジャーはメジャー、楽天には楽天の野球がある。ゴームズも郷(ゴー)に入ってもらう」と、試合後は得意のダジャレも弾んだ。今年の楽天は、ひと味違う。【松本岳志】