<社会人野球日本選手権:七十七銀行2-0航空自衛隊千歳>◇5日◇京セラドーム大阪◇1回戦

 初出場の航空自衛隊千歳(北海道)が0-2で七十七銀行(宮城)に敗れた。打線が4安打に封じ込まれて初戦敗退を喫したが、投手を含めた堅い守備が光った。1回2死二塁、小野辰之介右翼手(24=函館大)が右前打で本塁に突入した走者を好返球で刺し、先制点を防いだ。小野は「走者が二塁で打者が左。準備していました。普段通り。大会前の練習で、この球場での球の跳ね方も確認していました」。戦闘機の整備を担当する空士長だけに、準備の大切さを力説した。

 27人の野球部員は全員が自衛官。遠田弘明部長は、肩に階級章がついた制服でベンチ入りした。今大会にはレギュラー2人が昇任試験で欠場するなど、野球よりも勤務が優先される。午後6時から始まる練習には5、6人しか参加できないこともあった。

 それでも自衛隊の社会人登録チームは全国に6チームあり(1チームは休部中)、高校や大学を卒業後、野球を続けたくても続けられない選手にとっては、企業チーム以外に新たな選択肢として広がりそうだ。2等空曹の蔵口忍監督(36)は「官公庁のチームが出場するのは初めて。企業チームが減っている中で、社会人野球を盛り上げることができれば」と話した。