<中日0-1巨人>◇17日◇ナゴヤドーム

 中日の「完全男」山井大介投手(29)が、今季初先発の巨人戦で7回5安打1失点と好投しながら初黒星を喫した。4回、高橋由に両チーム唯一の得点となる8号ソロを浴びた。昨年の日本シリーズ第5戦での8回パーフェクトから続く“連続完全イニング”は11回で途切れた。チームはグライシンガー、クルーンの外国人投手コンビを打ちあぐね、今季2度目の完封負け。連勝は3で止まった。

 痛恨の失投だった。山井は、0-0の4回、先頭の高橋由を迎えた。カウント1-1からの3球目。外角へのフォークが高めに浮いた。一直線で右翼席に消える8号ソロを見送った。「ワンバウンドさせるぐらいの意識で投げないといけなかった。自分のフォークは見せ球程度なので、あの形だと打たれてしまう。悔いが残ります」。唯一の失点が決勝点となった。

 昨季3戦3勝の「Gキラー」として、カード3連勝がかかるマウンドに立った。最速144キロの直球とスライダーを軸に組み立てた。2回先頭のラミレスに内野安打を許して、昨年の日本ハムとの日本シリーズ第5戦からの連続完全イニングは「11回」でストップしたが「関係ないです」。高橋由の一発を浴びた後も力投して、7回を投げて5安打1失点。しかし援護に恵まれなかった。

 満を持しての今季初先発だった。3月2日の日本ハムとのオープン戦(北谷)で右足内転筋を痛めて離脱。「開幕には間に合う」と口にしたが、復帰まで約5週間かかった。1年フル稼働が目標だっただけに「もっと早くできると思った」と落胆をのぞかせたこともある。待ちこがれた開幕17試合目での初先発だったが、黒星がついた。

 それでも落合監督は「今日の収穫は山井。先発が1人、戻ってきたと思えばいいんじゃないか」と高く評価。森バッテリーチーフコーチも「(1失点は)上出来だよ」。川上、朝倉、中田の3本柱に次ぐ「ローテ当確投手」の復帰を歓迎していた。【益田一弘】