<広島5-4巨人>◇20日◇広島
エースと呼ばれる男の面影はない。先発した巨人上原浩治投手(33)が、6回のマウンドに上がることはなかった。5回7安打2四球で4失点。中4日での先発だったが「それは関係ない。すべての面において、どうにかしないといかん」と屈辱的な数字が記されたスコアーボードを見つめながら、淡々とした表情でグラウンドを後にした。勝ち星から遠ざかったまま、3敗目を喫してしまった。
苦しいマウンドだった。直球のMAXは141キロ。140キロを越えたのは2球だけで、フォークボールの落差も本来の出来ではなかった。3回からは走者なしでもセットで投げ、試行錯誤の連続。5回にはポテンヒット2本、イレギュラーバウンドしたヒットなど、不運な安打もあったが、フォークが高めに抜けて3失点。原監督は「本人は闘っている。今までジャイアンツは上原に助けられてきた。今度は助ける状態にしたかったが…。3、4回は(復調する)兆しが見えたけど、もう一踏ん張りが足りなかったね」と話した。
今季4度目の先発でも、結果は出なかった。82球のマウンドで、防御率は6・12まで上がってしまった。今季は先発復帰を見据え、スタミナ強化の練習メニューに重点を置いてやってきたため、瞬発力を高めるトレーニングは不足していた。その影響もあって、スピード不足を招いてしまっている。さらにシュートを完全にマスターしようとしたため、直球までがシュート回転し、制球を乱すことが多くなった。
完全に歯車が狂ってしまったエース。原監督は「次も先発で考えている?
もちろんです。問題点?
それは彼が乗り越えてくれるでしょう」と、エースのプライドを考慮した発言にとどめた。エースに厳しい正念場が訪れた。【小島信行】



