左ひじの張りで出場選手登録を抹消されている横浜工藤公康投手(45)が25日、約3カ月ぶりの実戦マウンドに立った。4月9日の抹消後、初実戦となるイースタン・リーグのロッテ戦(横須賀)に2番手で6回から登板し、1イニングを3者凡退に抑えた。最速は140キロ。「気持ち良かったです。1イニングだけど、光が見えてきた」と喜んだ。

 わずか17球。だが、27年目を迎えたベテランにとっては大きな17球だ。「この年齢になって、どこも痛くない選手はいない。それでも、しっかり調整したら投げられる」。先頭早坂を直球で中飛。続く早川には「外の甘い変化球狙いのスイングだった」と冷静に分析して、インコース中心に攻め右飛に仕留めた。3人目の細谷を2球で追い込み、捕手のサインに首を振りカーブ。ファウルされたが、もう1度カーブを続けた。低めに制御され、空振り三振を奪った。「カーブが一番ひじに負担が多い。連続で投げられたのが収穫です」と声を弾ませた。

 実は、この日の登板は、ぎりぎりの選択だった。「とにかく、投げられる証しとして投げてみようと。明日以降(ひじが)どうなるか。不安半分、期待半分」。それでも、1軍復帰へ確かな1歩を記した。【古川真弥】