<ヤクルト7-5阪神>◇3日◇神宮阪神が5-0からヤクルトに大逆転負けを喫し、優勝マジックが7度目の消滅となった。好投の先発安藤を6回3安打無失点で交代。しかし、万全リレーのはずの久保田、ウィリアムス、アッチソン、そして藤川までが打たれて悪夢の7失点、JFKAが全滅した。2位巨人に1ゲーム差をつけるどころか、再び同率で首位に並ばれた。

 怒鳴り声と激励の声援が相半ばする神宮球場を、岡田監督は表情を変えずに歩いた。いつもならじっくり見つめるスコアボードに一度も視線を送らず、グラウンドに背を向けた。そこには、説明のつかないようなスコアが並んでいた。

 「そらお前、まさかよ。不運な当たりも何も、ここまで来たら詰まったのもクリーンヒットも一緒。逆ならラッキーと思うだけやろ。安藤の交代は、この後のこととかあるからな」。

 6回まで5-0のリードを築いた。3安打無失点でまだ83球の先発安藤は、中4日で8日巨人との大一番に向かわせるため、理想通りに交代させた。7、8、9回は、切り札のJFKに安定度抜群のアッチソンを加えた最強リリーフ陣で逃げ切る態勢に入った。誰もが巨人との差を1ゲームに開き、マジックを6に減らす白星を確信した。

 悪夢だった。2番手久保田が3連打を浴びる。ウィリアムスが青木と川島慶に適時打を食らって1点差となった。岡田監督が苦渋で送り出したアッチソンは7回裏こそ三振で切り抜けた。だが8回に1死満塁と攻められた。岡田監督はベンチを出て、ストッパーの藤川を告げた。

 望みを託された最後のとりでまで、倒れた。川本への初球の速球は、力んだように高めに浮いた。2球目は矢野のミットをはじき、同点を許した。気落ちする間もなく、左翼線に2点二塁打をはじき返された。7、8回の2イニングに、今季の勝ちパターン継投の4投手をつぎ込んで7失点。久保田は試合後、何を聞かれても無言だった。藤川は振り絞るように話した。「勝負にいってあの結果だからしょうがない。打たれたからね。終わったことなので、また明日です」。

 まさかの1敗で試合のなかった巨人にまたも並ばれた。マジックは7度目の消滅。厳しくはなった。だが、絶望的ではない。残り7戦。勝ち続ける先に栄光のゴールがまだ見えているのが救いだ。【町田達彦】