<楽天3-5巨人>◇22日◇Kスタ宮城

 楽天はエース岩隈久志投手(29)を8回1死、93球で降板させ継投に入ったが、9回、川岸が巨人長野に2ランされ敗れた。岩隈は2回長野、7回阿部に本塁打を打たれ3失点。「前回登板の張りが残っていた。コントロールも甘くなっていった」とブラウン監督の降板指示に一定の理解を示した。だが指示がなければ「8回までは投げていたと思います」とも言った。巨人偵察部隊が「岩隈が投げる第2戦は、本当に厳しい」と戦前から漏らしたように、二枚腰で踏ん張る岩隈の底力は、実力者がそろう巨人だからこそよく知っていた。

 6回に本塁打を放った山崎は「年間の働きを求める監督の方針で戦う以上、降板の賛否を問うことはできない。岩隈が納得しているかだ」との正論を残した。岩隈の表情と言葉に悲愴(ひそう)感がなかった以上しこりは残らないかも知れない。ただ借金7の楽天が浮上するためには、合理性だけの判断が最善かどうか、問う時期に来ているのも現実だ。

 [2010年5月23日11時55分

 紙面から]ソーシャルブックマーク