<ヤクルト8-4阪神>◇27日◇神宮
阪神金本知憲外野手(42)が、ヤクルト戦で通算450号となる8号2ランを放った。4点を追う8回に代打で登場し、松岡から右翼席にたたき込んだ。史上13人目で、最年長42歳2カ月での到達。今季は自らの意思で連続フルイニング出場の世界記録を途切れさせたが、あらためて鉄人ぶりを見せつけた。投手陣が乱れて敗れたチームを、衰え知らずの存在感で引っぱっていく。
西日が差す神宮の右翼席に“アーチスト”らしい放物線を描いた。史上13人目となるプロ通算450号本塁打。記念の白球が着弾するのを見届けると、アニキは視線を下に落としたままダイヤモンドを1周した。ようやく到達した節目の一発をかみしめているようだった。
4点を追う8回。2死一塁で代打に立った金本の“餌食”となったのは、セットアッパー松岡だった。カウント2-2からの5球目。真ん中高めの149キロ直球を、完ぺきにとらえた。
「昨日、打つべきだった。昨日、あの場面でね」。余韻に浸るよりも、金本が反省の念を込めて振り返ったのは、26日の打席だった。終盤の7回。1死満塁の絶好機で代打として登場したが、結果は高めのボール球に手を出した空振り三振。チームも8回に逆転を許し、そのまま敗れた。同点のあの場面で自分が打っていれば…。
ただ、その悔しさを何度も味わい、はね返してきたのも金本の強み。その地道な積み重ねで、球界を代表する打者にまで上りつめた。42歳2カ月での450号到達は、史上最年長記録。真っ先に口を突いたのは反省の弁だったが、もちろん、周囲への感謝も忘れてはいない。
金本
1号から450号まで、自分の打撃をつくってくれた監督やコーチに感謝したい。打撃投手や球拾いをしてくれた裏方さんへの感謝も忘れてはいけない。
開幕前に右肩を痛め、4月18日の横浜戦(横浜)で連続試合フルイニング出場記録がストップした。本来なら軽く突破していたであろう450本塁打も、代打出場という不慣れな状況が続き、ようやく今季8本目の本塁打で到達した。400本塁打を前にした07年オフには「400本は通過点。500本は打ちたい」と語ったように、目標はまだ先にある。ほんの少し“遠回り”したが、決して不可能な数字ではない。
ダイヤモンドを1周した金本は、痛めているのとは逆の左手で記念の花束を持ち上げた。守備復帰にはもう少し時間を要するかもしれないが、自らが歩んできた野球人生同様、地道なトレーニングで完全復活を目指している。試合後、球団関係者を通じて戻ってきた記念のホームランボールは、この男を勇気付ける代物になることは間違いない。それをそっとかばんにしまい込み、アニキは球場を後にした。【石田泰隆】
[2010年6月28日12時30分
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