<オールスターゲーム:全セ5-5全パ>第2戦◇24日◇ハードオフ新潟

 

 阪神クレイグ・ブラゼル内野手(30)が気分よくダイヤモンドを回ると、飛びきりのご褒美が待っていた。一塁ベンチ前に並ぶ列の最後尾。満面の笑みの城島が球児が久保が、さらに巨人ラミレス、阿部、中日和田までが待ち構える。無数のフラッシュを浴びながら、7人が“ブラダンス”だ。セ界頂点を争う宿敵とのバトルも一時休戦。敵、味方のないパフォーマンスに、新潟の野球ファンが大声援を送った。

 「ホームランを打った以上に思い出に残るよ。みんなが1つになった瞬間だったね。ラミレスとは1発打てばダンスをやろうと約束していたんだけど…。みんなが祝ってくれて楽しい一瞬だった」。期待を裏切らなかった。1点を追う8回裏。先頭で楽天川岸の2球目、真ん中140キロ直球をたたきのめした。打球は高々と舞い上がり、バックスクリーンに着弾。全セを生き返らせる同点弾だ。「初めてのオールスターで打てて最高の気持ちだよ。真剣勝負でやっているから2三振は『やられた』と思っていた。ホームランを打って帳消しにできたかな」。シーズンから数えれば9試合ぶりの1発に、思わず照れ笑いだ。

 疲労を上回るエネルギーを蓄えた。「前半戦で満足することなく、向上していきたいね」。お祭り気分もきっちり切り替え、最後は虎のブラゼルに変身した。【佐井陽介】

 [2010年7月25日8時23分

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