<巨人2-5中日>◇25日◇東京ドーム

 中日が「必勝方程式」で巨人をねじ伏せた。

 浅尾拓也投手(25)が王者巨人の4番を圧倒した。1点差の8回、谷をスライダーで、小笠原を剛速球で仕留めて2死とするとラミレスを迎えた。1発出れば同点の重圧を背負いながらも真っ向から挑んだ。150キロ近い速球で追い込むと、最後は低めいっぱいから鋭く落ちるフォーク。リーグ本塁打王のバットが力なく空を切った。「1発だけに気をつけました。40ホールド?

 そうなんですか?

 すごいですね!」。球団史上初の40ホールドに到達した浅尾の快投が強さを象徴していた。

 「野球はピッチャー」-。落合監督の持論を証明する勝利だった。必勝リレーが始まったのは3-2と1点を勝ち越した直後の7回からだった。先発山井が先頭打者を出すと、迷わず高橋をマウンドに送った。1死二塁とされながらも高橋、坂本を連続三振にしとめてピンチ脱出だ。8回に浅尾が主軸を料理すると、9回は守護神岩瀬が2安打を浴びながらも得点を許さずに締めくくった。

 「あいつらが生命線だ。、あの3人が。しっかり仕事をしてくれているということだろう」と、24日退場処分の落合監督は3投手に最大限の賛辞を送った。空中戦を覚悟しなくてはならない東京ドームで強力打線を2点に封じた。これで再び首位と1・5ゲーム差。落合竜は「最強の盾」で逆転優勝を狙う。【鈴木忠平】

 [2010年8月26日8時47分

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