<セCSファイナルステージ:中日4-3巨人>◇第4戦◇23日◇ナゴヤドーム

 中日が3年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。同点に追いつかれた直後の9回裏、和田一浩外野手(38)の適時打でサヨナラ勝ちという劇的な幕切れ。感激した選手からサプライズ胴上げをされた落合博満監督(56)は宙に舞った後、声を震わせながら満員のファンに日本一奪取を宣言した。

 5色のテープが飛び交うグラウンドで、背番号5がもみくちゃになった。試合を決めたのはやはり中日の4番和田だ。9回1死一、二塁。巨人久保の初球をジャストミートした。弾丸ライナーが左翼ラミレスのグラブを越えた。「久しぶりにスピンが利いてうまく伸びてくれた。得点圏でことごとく打てずにピッチャーに迷惑をかけていた。あそこで回って来たのは『しっかり仕事をしろ』ということだと受け止めた」。レギュラーシーズンから数えて今季4度目のサヨナラ打(犠飛も含む)。CSのMVPをガッチリつかんだ。

 苦しんでいた。この試合まで今CSでは11打数3安打、打率2割7分3厘だった。物足りなさがあった。この日も1回に2死三塁のチャンスで空振り三振。5回にも得点圏に走者を置きながら二飛に倒れていた。大一番で勝負強さを発揮した。

 温めていた計画を実行した。試合後の場内1周でナインに呼びかけた。ブーちゃんこと中田亮がバンザイでジャンプし、着地した瞬間に周りのナインがその衝撃で倒れる-。大リーグ、ブルワーズの巨漢プリンス・フィルダーのパフォーマンスからヒントを得ていた。「本当はブーちゃんがサヨナラホームランを打った時と思ってたんだけど、ここで使っちゃった」と無邪気に笑った。

 西武では4度出場しているが、中日では初めての日本シリーズ。「(監督を)胴上げできて良かった。もう1回出来るように頑張ります。個人的には久しぶりですから」。日本一になってMVPを獲得した04年以来の大舞台に挑む。【桝井聡】

 [2010年10月24日9時58分

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