ニュー尾花だ!

 横浜は15日、横浜市内のホテルでスタッフ会議を行い、今季の方針などを確認した。3年連続最下位という屈辱からの出直しとなる今季、尾花高夫監督(53)は、選手とのコミュニケーションを図っていくと宣言した。昨季は選手との対話が少なく、ぎくしゃくした関係になったこともあった。今季は自らが変わり、チーム全体を変えていく決意だ。

 動かなかった監督が動く。尾花監督は、今季のチーム課題としてフォア・ザ・チームの徹底を挙げると、表情を引き締め直し、自らこう切り出した。「去年はコーチとのコミュニケーションはとれたが、選手を鼓舞したり、モチベーションを高めるようなコミュニケーションは不足していた。今季はどんどんやっていきたい」。

 言葉をかみしめながらの反省告白に、今季にかける決意がにじみ出た。「アナライジング・ベースボール(分析野球)」を掲げて臨んだ就任1年目は、交流戦を境にチーム状況が悪化。次第に選手とのコミュニケーション不足が露呈するようになった。7月のハーパー加入時には、それまで一塁を守っていた内川を事前の相談がないまま右翼へコンバート。試合当日の突然の通告に、内川は憤りをあらわにしたこともあった。

 試合前の打撃練習でも、ケージの後ろに立つ尾花監督と、選手が会話を交わす姿はほとんど見られず。球団幹部が「気持ちを出してやってくれ」と漏らすほどで、明らかに勝利に向けてチーム一丸、という雰囲気とは言えなかった。

 その指揮官が改心?

 した。これまで通り“飲みにケーション”は行わないが、「仕事場で(コミュニケーションを)やっていきたい。厳しい意見もチームがよくなる進言であれば、どんどん聞いていく」と、グラウンドで必死に耳を傾けるつもりだ。佐藤常務も「そういう宣言はうれしいこと。リセットですね」と期待を寄せた。よく言えば自主性を重んじてきた指揮官が、積極的に動いて聞いて、もの申す。監督が変われば選手も変わる。選手も変われば、沈んでいたチームも、必ず生まれ変わるはずだ。【佐竹実】

 [2011年1月16日7時35分

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