セ・リーグが、パ・リーグに足並みをそろえて4月12日に同時開幕することになった。セ臨時理事会が24日、都内で開かれ、29日に決めていた開幕日を再延期して、パと同じ4月12日に変更することが決まった。ナイターと延長戦の取り扱いも、すべてパに準じることになった。プロ野球は、2度にわたり文科省から東京電力、東北電力管内でナイター開催を自粛するよう節電要請されていた。さらに選手会の要望と世論の反発に配慮した形でようやく着地し、26日のオーナー会議で最終決定する。

 午後2時に始まったセ・リーグ理事会は1時間余りで終了した。22日に2度目の文科省からのナイター自粛要請後、23日までに各球団が協議。この日結論を持ち寄った結果、セ、パ同時となる「4・12」で合意に達した。一部理事からは、土曜日開幕となる「4月9日はどうか」という案も出た。同時進行で理事会を行っていたパ・リーグと連絡を取り合ったところ、すでに前売り券を払い戻し、12日より前に開幕することは難しいとの事情などから却下され、同時開幕で着地した。

 理事会終了後、理事長のヤクルト新(あたらし)常務取締役が決定事項を発表した。

 (1)選手の気持ちをくみ4月12日開幕とする。

 (2)文科省のあらためての要望については、4月中の東京電力、東北電力管轄内でのナイターをすべて自粛する。

 (3)延長戦については交流戦を考慮し、3時間半を超えて新しいイニングに入らないというパ・リーグと同じルールに変更する。

 (4)4月中の東京ドームの巨人戦(6試合)はナイターだけでなくデーゲームも中止する。

 強硬な姿勢を見せていたセ・リーグの方針転換は、実は22日の3省庁訪問後から始まっていた。NPBと各球団は文科省の要請と、選手会の反対、世論の反発を重く受け止め、同日夕方から水面下で協議。選手会が主張する4月12日開幕のほかに、4月9日セ、パ同時開幕案も出た。

 23日までに阪神、横浜、中日、ヤクルトが「開幕再延期やむなし」の方針を固めた。そして、選手会の窓口である選手関係委員の巨人清武代表もついに動いた。23日夜に、選手会長の阪神新井が滞在している広島へ移動。新井会長と会談し、選手会が12月になっても試合をやることをあらためて確認した。清武代表は「日程が過密になればダブルヘッダーも辞さず、たとえ日程が12月にずれ込んでもやると約束してもらった。これが(開幕延期の)大きな要因」と話した。

 10月29日開幕の日本シリーズを1~2週間遅らせることが可能となり、レギュラーシーズン144試合消化が確実となった。これが決め手となり、日程を主導的に決めてきた巨人も選手会が主張していたセ、パ同時開幕を受け入れた形となった。

 二転三転したセ・リーグがようやくスタートラインを見つけた。