西武菊池雄星投手(19)が、明日12日の阪神戦(西武ドーム)で先発として1軍初登板することが有力となった。2軍で結果を出し、10日から1軍の練習に合流。渡辺久信監督(45)視察のもと、ブルペン投球で46球を投げ、力強いボールでアピールした。注目ルーキーとして入団しながら肩痛に悩まされた2年目左腕が、いよいよベールを脱ぐ。

 今度こそ、の熱い思いがあふれた。西武ドームで1軍に合流した菊池が、言葉に力をこめた。「4月20日にファームと言われて、野球人生でこんなに悔しいと思ったのは久しぶりだった。投手としても、人間としても、ビックリするぐらい大きくなって、戻ってきたいと思っていた。進化した姿を見せたい」。決意の表情に満ちていた。

 昨年は左肩痛に泣いたが、2年目の今季は初めて開幕1軍を勝ち取った。中継ぎ待機したが、同行した7試合で出番がないまま、2軍に降格。チーム事情や試合展開があったとはいえ、初登板を信じて待っていただけに、落胆は大きかった。デビュー持ち越しとなった悔しさを忘れることなく、原動力にして自らを猛練習で追い込んだ。

 ファームでは先発に転向して、7試合で2勝1敗、防御率2・73。前回登板の3日ロッテ戦(西武第2)では、6回3安打1失点で勝ち投手になった。最速148キロで6三振を奪い、課題の制球も無四球と安定。結果を出し、再び1軍に呼ばれた。この日のブルペン投球でも調子の良さをぶつけ「これだけやったと言えるぐらいは練習してきた。それなりに自信はあります」と、好調をアピールした。

 登板日は、最短で12日阪神戦(西武ドーム)に先発する可能性が出てきた。順当なら中6日で岸が予想される。先発陣は登板2日前に投球練習するケースが多く、この日は岸もプルペン入りした。

 起用法について、渡辺監督は「雄星は練習生だよ(笑い)。ここ3試合くらい結果を残していたから、チャンスがあればね」とけむに巻いたが、週明けだと14日から神宮でヤクルト2連戦。本拠地でデビューさせたい親心があるかもしれない。帆足が左肘痛で登録抹消され、先発の枠に空きはある。菊池デビューの日は近い。