<広島1-0巨人>◇26日◇マツダスタジアム

 巨人沢村拓一投手(23)にとって10度の屈辱が訪れた。敗戦のベンチ裏、報道陣の質問に表情1つ変えず宿舎へのバスへ歩いた。7回1失点。それでも、2ケタ10敗目。チームは4カードぶりに3連戦の初戦を落とし、18日以来の借金生活。順位も3位に転落した。カード初戦を任される先発投手として、敗戦の責任を自ら負い「勝負事は、勝つか負けるかなので。負けは負けなんで」と、話した。

 1回、直球を狙い打ちされた。先頭の東出に4球続けて直球を投げ、150キロを左前打された。1死後、嶋、栗原にも直球を痛打された。1イニングに3安打を集められれば、1点は失うもの。立ち上がりの4打者に15球を費やし、変化球は2球だけ。前回登板。19日ヤクルト戦。原点回帰の直球勝負で6勝目をマークした。この日はその直球を初回は広島に狙われ、屈した格好だ。

 ただし、2回以降は粘りの投球を披露。直球の精度も修正し、6イニングを無失点で抑えた。原監督は「粘り強くね。勝ち星は付きませんでしたけどね、しっかり、いいピッチングしてくれたと思います」と沢村を責めることはなかった。

 巨人新人の10敗は79年・江川以来。江川の新人年は9勝10敗、防御率2・80。勝ち星はまだ及ばないが、沢村の防御率は2・47。統一球の影響もあるだろうが、当時の江川以上の数字を残している。川口投手総合コーチは、ほほ笑みながら「2ケタ超えたか…」。そのつぶやきには、新人の奮闘をたたえる意味が込められていた。先発投手は、投げ続けることが最大の仕事だから。【金子航】