横浜の球団買収でTBSホールディングス(HD)と合意したDeNAに、同業ライバル社から「待った」がかかった。携帯電話向けゲームサイトを運営するグリーが21日、DeNAに対して10億5000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表。都内で会見したグリーの田中良和社長は「(DeNAは)違法行為を続けている」と痛烈に批判し、球界参入についても難色を示した。新球団誕生目前のDeNAにとっては横やりが入った形となり、承認に向けた今後の動きに影響を及ぼす可能性も出てきた。

 携帯電話向けゲーム業界でトップを争う両社の「遺恨」が、球界にも飛び火するかもしれない。この問題は、DeNAが、グリーの取引先にグリーにゲームを提供しないよう圧力をかけたことが発端となった。今年6月、公正取引委員会がDeNAに、独占禁止法違反(取引妨害)に当たるとして排除措置命令を出し、1度は決着したかにみえた。しかし、グリーの田中社長は「(同様の行為が)現在も続いている」とし、手数料収入で損害を受けたKDDIとともに提訴に踏み切った。

 球団買収の手続きが大詰めに差しかかっているDeNAにとっては、デリケートな時期でもある。すでにTBSHDとの交渉は合意に達し、あとは12月のオーナー会議での承認を待つだけ。今日22日は実行委員会が開かれ、球団オーナーにふさわしいか最終チェックが行われる。その前日に提訴したことについて、田中社長は「(訴訟の)準備が整ったから、この日になった。それ以上の意味はありません」と、他意がないことを強調したが、ライバルにダメージを与える絶妙なタイミングでの発表となった。

 会見では「DeNAが球界に参入するのにふさわしい会社だと思うか?」という質問も出た。これに対し、田中社長は「それについては我々は何かを申し上げる立場にない。オーナー会議などで、しかるべき方がお決めになること」と前置きした上で「我々が懸念しているのは、違法行為を行っていても競争相手に勝てばいいんだという考え方が、世の中で公に認められるということ。それを危惧している」と不快感を示した。今日の実行委員会での他球団首脳の反応が注目される。