中日高木守道監督(70)と権藤博投手コーチ(73)が2日、神宮外苑での全体練習中に投手起用を巡り激論を交わした。首位陥落の前日、高木監督がローテを組んだ権藤コーチに怒りを爆発させての一夜明け。10分間、意見をぶつけ合った。手段は違えど勝ちたい思いは強い70代コンビ。激論で互いの理解は深まったのか…。

 歩み寄ったのは権藤投手コーチだった。神宮外苑での全体練習中。グラウンドの片隅で、高木監督と10分間話し合った。巨人戦3連敗で首位陥落した前日、指揮官が先発ローテに不満を爆発させたばかりだけに緊迫ムードが漂った。

 高木監督は「何も」と内容は明かさなかった。だが権藤コーチは「選手には言ってくれるなと言った。コーチを何十年やって、怒ってよくなったためしはない。味方に怒られることほどつらいものはない。オレは選手を守り続ける」と熱く説明。打たれた投手への配慮を求めたことを明かした。

 一方で高木監督はローテの再編を強く促した。巨人3連戦で打たれた中田賢、小笠原、山内らを2軍調整中の山本昌、川上や中継ぎのソト、山井らと入れ替えるべきと打診。だが権藤コーチは「マサや憲伸も今の状態なら投げてみないと分からない」と異を唱え、もう1度このローテで臨むことを要望。指揮官もなんとか、了承したもようだ。

 高木監督はこの会談前、前日からの怒りが冷めやらぬように自ら切り出した。「今日の新聞にも投手コーチ批判とか出とったけど、選手も怒るんだからコーチも怒るよ。仕事せんコーチは選手と同じで怒らなあかん。(5月に平野コーチを1度)2軍に落としたのもそういうこと」。勝ちたい思いは同じだが、お互いが不満をぶちまける異例の展開となった。【松井清員】

 ◆高木監督のぶち切れVTR

 巨人戦3連敗を喫した1日の試合後に「そら負けるわ。こういうふうになっておかしくない。エースが投げんようじゃ」と発言。首位陥落の怒りの矛先を権藤投手コーチに向けた。吉見が投げなかったローテに不満をあらわにした。