楽天が新外国人選手として、メジャー通算23勝右腕のブランドン・ダックワース投手(36=レッドソックス傘下3Aポータケット)と入団で基本合意に達したことが25日、分かった。メディカルチェックに問題がなければ契約する。08年を最後にメジャーでは投げていないが、今季は主に先発で9勝2敗、防御率3・17の好成績。150キロ超の球速はないが、カーブが良く、変化球を交え抑えるタイプ。マイナーでは通算105勝を挙げている。

 米球界関係者は「非常に人間ができている。将来の首脳陣候補」と証言。若手の手本的存在で、ポータケットでは松坂や田沢の同僚だった。日本野球の情報に触れていたとみられる。15年目のベテランで経験豊富なだけに、日本球界にシーズン途中で初めて加入しても対応可能と判断された。

 楽天の外国人選手獲得は、今月だけで2人目だ。6日に元横浜ハーパーと契約。手薄だった左の大砲を得た。次の補強ポイントが先発投手だった。田中を筆頭に、美馬、塩見、辛島、釜田の5人までは固定。残り1枠には、再調整中のヒメネス、川井、戸村らが控えている。ただ、新人の釜田はもちろん、美馬と辛島も先発ローテは今季が初めて。夏場以降の不測の事態に備え、先発陣を少しでも厚くしたい狙いがある。

 球団創設8年目で初のAクラス3位で折り返した。だが、首位から5位まで詰まっており、星野監督は、だんご状態はシーズン終盤まで続くとみている。補強可能期間は今月いっぱい。期限ぎりぎりの右腕獲得は、3年ぶりCS進出へ懸ける本気度の表れと言える。

 ◆ブランドン・ダックワース

 1976年1月23日、米ユタ州出身。ドラフトでは95年ブルージェイズ30巡目、96年ダイヤモンドバックス61巡目を拒否し、97年ドラフト外でフィリーズ入団。01年にインターナショナル・リーグ(3A)の最優秀投手に選出され、同年8月にフ軍で初昇格。翌02年は開幕からローテ入りし自己シーズン最多8勝(9敗)を挙げた。メジャー通算23勝34敗、防御率5・28。右投げ右打ち。188センチ、97キロ。