ヤクルト小川淳司監督(55)が、楽天を戦力外になった岩村明憲内野手(33)の獲得に向けて、明日29日にも直接会談を行うことが27日、分かった。球団幹部は「メディカルチェックも今週中には終わる」と話し、諸条件がそろい次第、入団が正式発表になる。

 岩村は今月下旬まで米国に滞在し、球団側との本格交渉には至っていなかった。楽天での2年間は打率1割9分、1本塁に終わり、屈辱の戦力外通告を受けた。年俸は今季の推定1億5000万円から、約10分の1となる1500万円前後になる見込みで、今後は出来高払いの細部を詰めていく。大幅減俸は避けられないが、小川監督自身がチームに必要な存在であることを直接訴えることで、ヤクルト復帰を後押しする。

 岩村はヤクルトには97年から06年まで在籍し、04年からは3年連続で3割30本塁打を達成した。大リーグ・レイズではワールドシリーズも経験。楽天ではケガの影響もあり苦しい2年間を過ごしたが、指揮官の直接出馬で、代名詞の「何苦楚(なにくそ)魂」に火が付くことは間違いない。